みなさま、こんにちは。
CFPコンサルティングの安西です。
前回ご好評を頂きました「SSC→P-MAXに変更してみた」の記事に続いて、本日も検証結果のご報告です。
日々広告運用に励まれている皆様の参考になりましたら幸いです。
今回検証してみた内容ですが、ずばり「完全一致 vs 部分一致」です。
全く同じキーワード同士をGoogle広告のテスト機能を使って競わせたらどんな結果が出るのか、
問いはシンプルではありますが、もしかしたらこのような検証を実行された方はあまりいないのでは?と思いました。
<当初の想定>
皆さんのイメージでは全く同じキーワードの完全一致と部分一致では、どちらの方がCPAが低くなると思いますか?
また、CVはどちらの方が多く獲得できそうでしょうか?
CPAを下げるには「クリック単価を下げる」「コンバージョン率を上げる」という2つの方法がありますが、
クリック単価が低いのは完全一致でしょうか?それとも部分一致でしょうか?
また、コンバージョン率が高いのは完全一致でしょうか?それとも部分一致でしょうか?
<実際の結果>
今回の検証を行うに際しての環境は以下の通りです(クライアント様情報は伏せております)。
キーワード数:4つの同一のキーワードの完全一致 vs 部分一致
期間:7月中旬~9月中旬
入札戦略:コンバージョン数最大化+目標CPA
予算配分:50:50(Googleのテストキャンペーンにて予算配分を設定)
では、結果をお伝えいたします。
いかがでしたでしょうか?
部分一致の方が完全一致よりも多くのCVを獲得し、より低いCPAで着地させることができました。
CPAに影響を与える2つの要素「クリック単価」「コンバージョン率」においては、
クリック単価:部分一致の方が完全一致よりも49%低い
コンバージョン率:部分一致の方が完全一致よりも34%低い
結果:完全一致と比較した際のコンバージョン率の低さよりも、クリック単価の低さの方が勝り、部分一致の方がCPAが低いという結果となった
<なぜ部分一致の方がCV、CPA共に優れていたのか>
では、最も大事なポイントである「部分一致」の勝因について詳しく見ていきましょう。
検証①全く同じクエリーにおいても成果は変わっていたのか
部分一致で成果に大きな影響を与えるとしたら、すぐに考えられるものとして「検索クエリー」があります。
登録したキーワードとは異なるクエリーに広がって、そこから得たクリックがコンバージョンにつながったのではないか?という考え方です。
では、完全一致と部分一致で同一キーワードを登録した際は、全く同じクエリーにおいても成果は異なるのでしょうか。
その結果がこちらです。
クリック単価は部分一致の方が低い、コンバージョン率は完全一致の方が高い、というのは全体実績と同じ傾向ですが、CPAとしてはほぼ同一です。特筆するべきは表示回数の多さでしょうか。
自動入札を設定している環境下においては、同一キーワードの同一クエリーにおいても、部分一致の方が表示回数が伸びる傾向があることが分かりました。
これでCPAが同じであるなら、部分一致を積極的に使って行った方が良さそうですね^^
検証②部分一致でコンバージョン獲得に至った検索クエリーの傾向
部分一致の方がCV、CPA共に完全一致よりも優れている、それは検索クエリーに大きな違いがあるからだ、だとすれば、次に考えるのは「部分一致の方がニッチなクエリーにリーチできて、そこからのコンバージョンが多かったのでは?」ということです。私もそのように考えておりました。
もちろんその傾向はあったのですが、もう一つ気になる傾向もありました。
それは、「必ずしもその顧客の商材・サービスを探しているわけではないクエリ」でのコンバージョン獲得が多かったことです。
当初は「●● ランキング」とか「●● 選び方」など、●●というメインワードに付随する複合ワードが網羅されて、その結果として部分一致の方が優れた結果になると考えておりました。
しかし、実際の結果を見てみますと「●●」に該当するメインワードすら含まれていない検索クエリーでのコンバージョン獲得が多かったのです。
<まとめ>
今回の検証をまとめると、次のことが言えます。
・部分一致の方がコンバージョン率では完全一致に劣るが、クリック単価が低く抑えられる分、CPAは低く抑えられる
・同じ検索クエリー同士て比べると、CPAは同程度だが、配信が広がる分、部分一致の方がCVが獲れる
・部分一致では、想定していない検索クエリーの広がりがあるが、それによってCV、CPA両方において完全一致よりも高い実績を残せる
1つ、、、ではなく2つ補足させていただきます。
①自動入札は必ず活用しておくこと(機械学習を働かせない中での部分一致は結構ハイリスクですので注意)
②今回の検証結果はあくまで1つのクライアントにて実施して結果であるため、すべての業種・業界で通用するわけではないこと
(実際にBtoB商材のクライアント様においては、部分一致で広がった結果、BtoC寄りのクエリーも散見されており、その後の除外設定が大変だった経験もあります。とは言え、その後はやはり改善基調にはなっております)
以上となります。
ユーザーはこちらが思いもよらない検索クエリーで情報を探しています。
そこからみなさまの商材・サービスとの偶然の出会いが生まれることもあるかもしれません。
ぜひ「部分一致」が生み出す偶然の出会いに期待してみてはいかがでしょうか。
CFPコンサルティング
アドバタイジング本部ディビジョンディレクター
安西